こんにちは。髙比良です。
最近先生方にお問合せいただく中で、職種としては「歯科衛生士」や「歯科助手」の不足が顕著になっており、
診療業務の円滑な運営に大きな影響を及ぼすにいたる医院もあると聞きます。
この問題は、医療従事者不足という大きな社会的背景と絡み合っており、歯科医院も例外ではないかと思います。
今回はあらためて歯科医院が人手不足に陥る原因と、それに対する具体的な対策についてまとめてみました。
<原因(1)専門職の不足>
歯科衛生士については、専門知識と技術が必要なため、短期間での人材確保が難しい職種です。
また、求められる技術や知識は非常に多岐にわたりますが、医院によってもばらつきがあるのも事実です。
うまく順応できないことが本人のストレスとなりやすく、早期離職につながるケースもあります。
<原因(2)労働環境の過酷さ>
歯科医院で働くスタッフにとって、長時間の立ち仕事や、患者との接触頻度が高いことが、他の業界に比べ負担となりやすいことも挙げられます。
診療が忙しくなると一人あたりの業務負担が増え、予約時間がブレることで時間外労働も増えます。
そういった状態が続くと、離職率が高くなる傾向があります。 その過重な仕事量や休暇の取りづらさが原因で、他の職場に転職してしまうことも少なくありません。 せっかくの資格や経験をお持ちの方が「他の業界に」と歯科医院で転職活動をしない理由の一つとなっています。
<原因(3)地域による人手の偏り>
大都市圏と地方では、人材確保の難しさに大きな差があります。
特に都市部では比較的歯科衛生士や助手が集まりやすく、若手の方は転職を期に上京するといった、引越しをするケースもあります。
もちろん都市部はその分競争率が高いですが、 地方ではそもそもの人数、求職者数が限られています。
特に、人口減少が進んでいる地域では、専門職を確保するのがますます困難になっている状況です。
<原因(4)低賃金と待遇の問題>
実際の転職理由に「給与面での不満」と答える声も少なくありません。
これは正社員だけではなく、”正社員とパート労働者の格差”についても問題です。
例えば歯科衛生士のケースでは、 『パート労働者のほうが経験が長く、研修をおこなう時間も少なくて済む。担当患者を任せれる数も多く、同じ業務である』にも関わらず、
『パートだから賞与や歩合がない、家賃補助がない、交通費がでない』といった待遇差を指摘する声もあります。
また歯科助手に関しては、歯科医師の治療業務のアシストと繊細な業務がある一方で、一般的に他の業界と比べて低めの給与水準であることで人手不足のパターンもあります。
また、給与だけではなく先ほどの(2)にあげたようなシフトやお休み、福利厚生など職場の環境が整っていない場合に転職を考えるスタッフが増えたりもします。
<対策(1)働きやすい環境作り>
具体的には、業務の負担を軽減するためのシフト管理や、適切な休暇制度を整えることが必要です。
また、スタッフ間のコミュニケーションを円滑にするための取り組みや、職場の雰囲気を改善することも有効です。
<対策(2)研修制度の充実>
既存のスタッフのスキルアップを促進することも重要です。定期的な研修や資格取得支援を行い、 スタッフが自信を持って業務に取り組めるようサポートしましょう。
また、最新の歯科医療技術や設備を導入することで、スタッフのモチベーションを向上させることも有効ですので、
院内での研修が十分にできないなと感じる時は、院外のセミナーに参加する機会を提供しましょう。
<対策(3)給与や福利厚生の改善>
既存スタッフの環境面を整えていくことも一つ。 単に全員給与を上げるという手段もありますが、
しっかり1人ひとりスタッフの頑張りや貢献度などに基づいた評価制度を作り設定していくのはいかがでしょうか。
評価の見える化が、スタッフ自身のやる気やモチベーションにもつながります。
また歯科衛生士や歯科助手につく人たちは、結婚出産育児介護、家族の転勤、家族の進学などライフステージの変化で仕事を犠牲にせざるを得ない方も多いです。
その変化にある程度医院側で柔軟に対応できる部分を整備することで、スタッフも医院のために頑張ろうという姿勢を見せるようにもなり、定着率を高めることができます。
<対策(4)地方での人材確保>
地方での就業を支援するためには、(3)での対策の他、「住宅手当」「寮の準備」など引越しをサポートするような特別な対応を導入するのも一つです。
そのほか、都心部より専門士が少ない分、地方の医療機関や学会、スタディグループなどで
啓発活動にいちスタッフも参加させる・講話するなどの機会を準備するのもいかがでしょうか。
また、ぎりぎりでの人員配置ではなく余裕のある計画を立てましょう。前述した通り、専門士であればあるほど採用するのに数か月かかりますので、
突発的な退職に対応できるようある程度の余剰としての配置をおすすめします。
<対策(5)未経験や外国人スタッフの活用>
最後に。即戦力とはいえず、研修時間や研修プランは必要ですが、未経験層や助手受付の外国人スタッフの積極的な採用で人手不足を補うことができます。
医療現場なので専門用語で会話ができないとスムーズに業務が進まないといった先生からの声もありますが、コミュニケーション力の高い方は世の中にたくさんいらっしゃいます。
”あとは専門知識だけ”といった状態であれば、意外とすぐに順応し、歯科医師のアシストとして数日・数か月でデビューできる方も。
また日本に移住する外国人の方も増え、患者様としての問合せも年々増えています。
いち早く外国人労働者へのサポート体制を整えることも人手不足の解消に今後つながるかもしれません。
<人手不足解消へ向けた相談は採用のプロへ>
歯科医院の人手不足は、専門職の不足や労働環境の問題、地域ごとの差など、さまざまな要因が絡み合って発生しています。
しかし、これに対する対策をいち早く講じることで、採用だけではなくスタッフの定着率を高め、さらには業務の効率化を図ることが可能です。
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