歯科医院の経営において、歯科衛生士の採用・定着は大きな課題のひとつです。特に退職金制度は、求職者にとって重要な判断材料となり、スタッフの定着率向上にも直結します。しかし、歯科医院の多くは退職金制度の設計に悩んでいるのが現状です。
本記事では、歯科衛生士の退職金相場から制度設計の具体的な方法まで、歯科医院の経営者や採用担当者が知るべき情報をまとめて解説します。他院の事例や支給条件を参考に、自院に適した退職金制度を構築し、採用力の向上と人材定着を実現できるでしょう。
目次
歯科衛生士の退職金は「ある」職場が増加中!

退職金制度は法律で義務付けられているものではなく、各医院が任意で設定する福利厚生の一つです。しかし近年、歯科衛生士の採用競争が激化する中で、退職金制度を導入する歯科医院が増加傾向にあります。
日本歯科衛生士会が実施した令和7年度の調査によると、常勤の診療所における退職金制度の有無について、「ある」と回答した医院は約48.3%、「ない」と回答した医院は約41.3%という結果が報告されています。約半数近くの歯科医院が退職金制度を導入しており、今後も導入する歯科医院が増加する可能性が示唆されています。
その理由とされているのが、業界的に慢性化している”人手不足”です。退職金制度の有無は、求職者が就職先を選ぶ際の重要な判断材料となっているため、制度を整備することで優秀な人材の獲得や長期的な雇用関係の構築が期待できるでしょう。
歯科衛生士に退職金が支払われるケースとは?

退職金が支払われるかどうかは、各医院の就業規則や退職金規程によって定められており、一定期間以上勤続したスタッフが退職する際に支給される仕組みとなっているのが一般的です。
歯科医院では、勤続年数が3年以上の常勤スタッフを支給対象としているケースが多いです。しかし、医院によって異なるため、正社員だけでなく契約社員や一定の条件を満たすパートスタッフにも退職金を支給する医院もあります。
支給条件は医院ごとに異なるため、就業規則で明確に定義しておくことが重要です。試用期間中の退職や自己都合による短期間での退職の場合には、支給対象外としている医院も少なくありません。退職理由によって支給額や支給の可否が変わる場合もあるため、透明性のある制度設計が求められます。
歯科衛生士の退職金の相場はいくら?計算方法もご紹介

退職金の金額は、勤続年数や給与額、退職理由などによって大きく変動します。適切な退職金額の設定は、スタッフの満足度向上と医院の財務健全性のバランスを取ることが重要です。
ここでは一般的な相場と計算方法について解説していきますので、制度設計の参考にしてください。
退職金の相場
歯科衛生士の退職金相場は、勤続年数によって以下のような金額が目安となっています。実際の支給額は各医院の規程や給与水準によって異なりますが、一般的な傾向として参考にしてください。
| 勤続年数 | 退職金の相場 |
| 3年未満 | 支給なし、または5万円〜15万円程度 |
| 3年〜5年 | 20万円〜40万円程度 |
| 5年〜10年 | 50万円〜100万円程度 |
| 10年〜15年 | 100万円〜200万円程度 |
| 15年以上 | 200万円以上 |
上記の金額はあくまで目安であり、基本給や役職、退職理由(自己都合・会社都合)によって変動します。医院の規模や地域性、経営状況なども考慮して設定する必要があるでしょう。
退職金の計算方法
退職金の計算には主に「基本給連動型」と「ポイント制」の2つの方法があります。
| 項目 | 基本給連動型 | ポイント制 |
|---|---|---|
| ベースになるもの | 退職時の基本給 | 年間付与されるポイントの累計 |
| 制度の特徴 | 年功重視、計算がシンプル | 貢献度・成果を反映しやすい |
| コスト管理の容易さ | 基本給と連動するためコントロールしにくい | 退職金額が予測しやすい場合が多い |
歯科医院で最も一般的なのは基本給に勤続年数と退職理由に応じた係数を掛け合わせる「基本給連動型」です。ここでは国税庁で公開されている計算方法を参考に、例もあわせて分かりやすく解説していきます。
【基本的な計算式】
| 退職金 = 基本給 × 勤続年数 × 給付率 |
例えば、基本給が25万円、勤続年数が10年、給付率が自己都合退職で0.8、会社都合退職で1.2とした場合、退職金は200万円~300万円程度となります(例:基本給25万円×10年の場合)。会社都合退職の場合は給付率があがり、1.2〜1.5程度に設定することもあります。
【課税対象所得の計算】
| 課税対象所得 | (退職金 – 退職所得控除額) × 1/2 |
| 退職所得控除額 | 40万円 × 勤続年数(20年以下の部分) + 70万円 × (勤続年数 – 20年)(20年超の部分) |
この計算により、退職金には税制上の優遇措置が適用されます。受け取る側の負担が軽減されることがポイントです。
退職金にかかる税金
退職金には所得税と住民税が課税されますが、給与所得と比較して税制上の優遇措置が設けられています。退職所得控除が適用され、さらに控除後の金額の2分の1のみが課税対象となるため、実質的な税負担は軽減される仕組みです。
具体的には、勤続年数に応じた退職所得控除額が設定されており、勤続20年以下の場合は「40万円×勤続年数」、20年を超える部分については「70万円×(勤続年数-20年)」が控除されます。例えば勤続10年の場合、400万円までは課税対象外となるでしょう。
また、退職金の受取時には「退職所得の受給に関する申告書」を提出することで、適正な税額が源泉徴収されます。申告書を提出しない場合は一律20.42%の税率で源泉徴収されるため、必ず提出するよう案内することが重要です。
歯科衛生士に退職金制度を導入するメリット・デメリットをご紹介!

退職金制度の導入には、医院とスタッフの双方にとって様々な影響があります。制度設計の前に、メリットとデメリットを十分に理解しておくことが大切です。長期的な視点で医院経営を考える際には、これらの要素を総合的に判断する必要があるでしょう。
退職金制度を導入するメリット
退職金制度を導入することで得られる主なメリットは、下記の4つが挙げられます。
- 人材の定着率が向上する
- 採用競争力が強化できる
- スタッフのモチベーションが向上する
- 節税効果がある
求人活動においては、福利厚生が充実している医院として他院との差別化が図れるでしょう。すでに働いているスタッフも将来への安心感が生まれ、日々の業務へのモチベーション向上につながることが期待されます。
そのため、長期勤続を促す仕組みとして退職金制度が機能することで、スタッフの離職率低下と安定した診療体制の維持につながるでしょう。また、退職金の積立は経費として計上できるのもポイントです。
退職金制度を導入するデメリット
一方で、退職金制度の導入では注意すべきデメリットもあります。
- 資金負担の増加
- 制度管理に一定の手間がかかる
- 制度変更が困難
- 短期離職者・スポット就職者が不公平感を抱く可能性
退職金の積立や支給には相応の資金が必要となり、特に小規模医院では経営への負担が大きくなる可能性があります。退職金規程の作成や適切な管理、税務処理などの事務作業も発生するでしょう。さらに、一度導入した制度を後から変更することは法律上も困難である点や短期間で退職するスタッフにとっては恩恵が少なく制度への不満が生じる可能性がある点にも注意が必要です。
退職金制度を導入する際は、メリットだけでなくデメリットも考慮した上で、医院の規模や経営状況に合わせた制度設計を行うことが重要です。
歯科医院で退職金制度を導入する方法をステップで解説!

退職金制度の導入は、適切な手順を踏んで導入することで、スタッフに安心感を与えるだけでなく、経営側との認識のズレやトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
ここでは、制度の基本設計から実際の導入まで、歯科医院が退職金制度を導入する際に押さえておきたいステップや注意点について、具体的に解説していきます。
STEP1:退職金制度導入の目的と方針を決める
退職金制度を導入する際には、まず制度の目的を明確にすることが重要です。医院の経営理念や将来ビジョンと照らし合わせながら、退職金制度が果たすべき役割を定めましょう。また、予算や医院規模を考慮し、無理のない範囲で持続可能な制度を構築することが大切です。
目標の設定
退職金制度を導入する前に、まず「何のために導入するのか」という明確な目的を定めることが重要です。人材の定着率向上を目指すのか、採用活動での競争力強化を図るのか、あるいはスタッフへの感謝の気持ちを形にしたいのか、目的によって制度の内容も変わってきます。具体的な数値目標を設定することも効果的でしょう。
例えば、「3年以内の離職率を現在の40%から20%に削減する」といった明確な指標があれば、制度の効果測定も可能になります。また、医院の理念や経営方針との整合性も確認しておく必要があります。長期的なビジョンに基づいた制度設計により、持続可能な運用が実現できるでしょう。
予算の検討
退職金制度の導入には、継続的な資金準備が不可欠です。現在の医院の財務状況を踏まえ、無理のない予算規模を設定しましょう。
将来的な支給額を試算するために、現在のスタッフ数や平均勤続年数、今後の採用計画などを考慮する必要があります。例えば、常勤スタッフ5名の医院で、平均勤続年数8年、基本給25万円と仮定した場合、年間の積立額や将来の支給見込額をシミュレーションできます。
STEP2:退職金制度内容の設計
制度の目的と方針が定まったら、次は具体的な制度内容を設計していきます。支給条件、支給額の算定方法、支給時期など、制度の骨格となる要素を明確に定めることが重要です。
これらの内容は後から変更することが困難なため、慎重に検討する必要があります。スタッフにとって分かりやすく、医院にとって持続可能な制度を目指しましょう。
支給条件の選定
退職金の支給対象者と支給条件を明確に定めることは、制度の公平性を保つために極めて重要です。
支給条件として検討すべき項目には、最低勤続年数、雇用形態(正社員・契約社員・パートなど)、退職理由(自己都合・会社都合・定年など)が含まれます。試用期間中の退職や懲戒解雇の場合には支給しないなど、例外規定も設けておくと良いでしょう。
パートタイマーや契約社員への適用については、勤務時間や勤続年数に応じた比例配分計算(基準を基に金額を適切に分割、配分する計算)を行うなど、柔軟な対応も考えられます。
支給額の算定
退職金の支給額は前述のように「基本給連動型」が最も一般的です。計算式は「基本給×勤続年数×給付率」とシンプルですが、給付率の設定には工夫が必要です。
前述のように、自己都合退職の場合は1.0、会社都合退職の場合は1.2〜1.5程度とするケースが多く見られます。また、勤続年数に応じて給付率を段階的に上げる方法も効果的です。例えば、3年未満は0.5、5年以上は1.0、10年以上は1.5と設定すれば、長期勤続へのインセンティブを強化できるでしょう。
支給時期の選定
退職金の支給時期は、退職日から1ヶ月以内とするのが一般的です。資金準備の都合や事務処理の期間を考慮して、2ヶ月以内とする医院もあります。
支給時期を明確に規定しておくことで、退職者との間でトラブルが発生するリスクを減らせます。支給方法についても現金払いか銀行振込かを定めておきましょう。また、手続きは退職所得の源泉徴収も同時に行うため、退職者には事前に「退職所得の受給に関する申告書」の提出を忘れずに依頼するようにしてください。
STEP3:資金準備・積立方法の選定
退職金の資金を準備する方法には、内部積立、中小企業退職金共済制度(中退共)、生命保険の活用などがあります。それぞれの特徴を理解した上で、医院に適した方法を選択しましょう。
| 積立方法 | メリット | デメリット |
| 内部積立 | 自由度が高く柔軟な運用が可能。制度設計の変更も比較的容易 | 計画的な資金管理が必要。支給時の一時的な資金負担が大きい |
| 中退共 | 国の制度で安全性が高い。掛金が全額経費計上可能。新規加入で助成金あり | 一度加入すると解約が困難。掛金の変更に制限あり |
| 生命保険 | 死亡保障と退職金準備を兼ねられる。解約返戻金で資金確保 | 早期解約時の返戻率が低い。保険料が割高になる場合あり |
それぞれの方法を組み合わせることも可能です。
例えば、基本部分は中退共で確保し、上乗せ部分を内部積立や生命保険で補うといった運用も考えられます。医院の経営状況や将来計画に応じて、最適な方法を選択してください。
STEP4:就業規則・退職金規程の作成とスタッフへの説明
退職金制度を導入する際には、就業規則への記載と退職金規程の作成が必要です。労働基準法では退職金制度を設ける義務はありませんが、制度を設ける場合にはその内容を就業規則に明記する必要があります。
退職金規程に盛り込むべき内容は以下の通りです。
- 制度の目的と適用範囲
- 支給対象者の条件(勤続年数・雇用形態など)
- 支給額の計算方法と具体的な計算式
- 支給時期と支給方法
- 不支給または減額となる場合の条件
- 制度の改廃に関する規定
規程が完成したら、スタッフ全員に対して丁寧な説明を行うことが重要です。制度の内容だけでなく、導入の目的や医院の思いも伝えることで、スタッフのモチベーション向上につながります。質疑応答の時間を設け、疑問点を解消しておくことも大切でしょう。
STEP5:運用開始
制度の運用が始まったら、適切な管理体制を整えることが大切です。各スタッフの勤続年数や退職金見込額を定期的に確認し、必要な資金が確保されているかチェックしましょう。
制度運用に関する記録として保管すべき項目は、主に下記の4つが挙げられます。
- 入社日と勤続年数
- 退職金積立額の推移
- 支給実績と支給額の記録
- 制度改定の履歴と理由
これらの記録を各スタッフごとに適切に保管することで、将来的なトラブルを防ぎ、スムーズな制度運用が可能になります。年に一度は制度や運用方法全体の見直しを行い、医院の経営状況や法改正に応じた調整を検討することも大切です。
歯科医院で退職金制度を導入する時の5つの注意点

退職金制度の導入は、医院の経営に長期的な影響を与える重要な決断です。導入することでスタッフの定着率や働きやすさが向上する一方で、制度の設計や運用には細かな配慮が求められ、対応を誤るとトラブルや不満の原因になりかねません。
とくに個人経営の歯科医院では、退職金制度が義務化されているわけではないため、自由度が高い反面、事前に十分な準備と理解が不可欠です。制度を正しく機能させるためには、法的な観点・財務面での負担・スタッフへの説明方法など、さまざまな角度から慎重に検討する必要があります。
ここでは、制度導入にあたって特に注意すべき5つのポイントを取り上げ、それぞれのリスクや対応方法について詳しく解説します。制度を有効に活用するための土台づくりとして、ぜひ参考にしてください。
①計画的で無理のない支給水準の設定と資金準備が必須!
退職金制度の最も重要な要素は、医院の経営状況に見合った支給水準の設定です。過度に高い支給額を設定すると、将来の経営を圧迫するリスクがあります。逆に、あまりにも低い支給額では、制度導入の効果が期待できません。医院の売上規模、利益率、スタッフ数などを総合的に考慮して、適切な水準を設定しましょう。
資金準備については、長期的な視点で計画を立てなければなりません。現在のスタッフの勤続年数や将来の退職予定を考慮し、必要な資金を段階的に準備する必要があります。突発的な退職が発生した場合でも対応できるよう、余裕をもった資金計画を立てることが大切です。
医院の成長に伴ってスタッフ数が増加する場合は、それに応じて退職金の支給額も増大します。将来の事業計画と連動させて、制度の持続可能性を確保することが重要です。定期的に資金状況を確認し、必要に応じて制度の見直しを行う仕組みを構築しておきましょう。
②支給対象者・条件を明確に規定する
特に、支給対象外となる事由については、慎重に検討する必要があります。懲戒解雇や重大な規律違反があった場合の取り扱い、無断欠勤や業務に著しく支障をきたした場合の取り扱いなど、想定される様々なケースについて事前に規定しておくことが大切です。
パートタイムや有期契約のスタッフを対象に含める場合は、常勤スタッフとは異なる条件を設定することも検討しましょう。勤務時間や契約期間に応じて、支給額や支給条件を調整することで、公平性を保つことができます。
③退職金制度は導入後の継続性を重視する
一度導入した退職金制度を後から廃止したり、大幅に減額したりすることは、法的な問題を引き起こす可能性があります。また、スタッフの信頼を失い、離職率の増加を招く恐れもあります。そのため、制度導入時には、長期的な運用を前提とした設計を行うことが重要です。
経営状況の変化に対応するため、制度には一定の柔軟性を持たせることも必要です。例えば、著しい経営悪化が生じた場合の特例措置や、制度の見直しを行う条件などを予め規定しておくことで、将来の変更に対応できる仕組みを構築しましょう。
さらに、制度の継続性を確保するため、定期的な見直しを行うことも重要です。法改正や社会情勢の変化に応じて、制度の内容を適切に調整し、持続可能な制度運用を目指しましょう。
④税務上の扱いを専門家に確認する
退職金の支給には、所得税や住民税などの税務処理が伴います。適切な税務処理を行わないと、後で税務署から指摘を受ける可能性があります。特に、退職所得控除の適用や源泉徴収の計算方法については、専門的な知識が必要です。
医院側でも、退職金の支給に関する損金算入や、退職金積立に関する税務処理について理解しておく必要があります。生命保険を活用した積立を行う場合は、保険料の損金算入や受取時の税務処理についても確認が必要です。
税務の専門家である税理士に相談し、適切な処理方法を確認することをお勧めします。また、税制改正により処理方法が変更される場合もあるため、定期的に最新の情報を確認することが重要です。
⑤歯科衛生士の定着率向上や採用活動に活かす
退職金制度の導入は、単なる福利厚生の充実だけでなく、スタッフのモチベーション向上と定着率向上の戦略的なツールとして活用することが大切です。制度の内容をスタッフに適切に説明し、長期勤続のメリットを理解してもらうことで、より大きな効果を期待できます。
キャリアアップと連動させた制度設計も効果的です。例えば、スキルアップや資格取得に応じて退職金の支給率を優遇したり、リーダー的な役割を担うスタッフに対して特別な制度を設けたりすることで、スタッフの成長意欲を促進できます。
また、制度の存在を採用活動でも積極的にアピールしましょう。求人情報への記載、面接時の説明、職場見学時の紹介など、様々な機会を通じて制度の魅力を伝えることで、質の高い人材の確保につながります。
スタッフが続かない歯科医院の特徴や取るべき対策については、下記の記事も併せてご覧ください。
【離職多数】スタッフが定着しない歯科医院の特徴10選と対策徹底解説
歯科衛生士の退職金に関するよくある質問と回答!

退職金制度については、歯科医院では制度が未整備な場合も多く、他院の状況が分かりにくいため、判断に迷うことも少なくありません。そこで、歯科衛生士の退職金に関して特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
基本的な制度から実務的な対応まで知っておくことで、これから制度を導入したいと考えている方はもちろん、すでに運用している方にも役立つでしょう。制度設計のヒントやトラブル予防の参考として、ぜひご活用ください。
Q:歯科衛生士に退職金を支給するための最低勤続年数の目安は?
一般的には勤続3年以上を最低条件とする歯科医院が多いです。これは試用期間や短期間での離職を除外し、ある程度の貢献度を評価するためです。ただ、近年では医院の方針により1年以上や5年以上と設定するなど、制度の導入状況が多様化しています。
最低勤続年数を短く設定すると、多くのスタッフが対象となり魅力的な制度となるでしょう。一方、長く設定すると資金負担は軽減されますが、制度の魅力度は下がる可能性があります。医院の経営状況と採用戦略のバランスを考慮して決定することが大切です。
Q:非常勤やパートの歯科衛生士にも退職金を支給する必要がありますか?
法的には非常勤やパートスタッフに退職金を支給する義務はありません。しかし、労働時間や勤続年数に応じて支給することで、パートスタッフの定着率向上につながります。常勤職員と同等の制度を適用するか、別制度を設けるかは医院の判断次第です。
パートスタッフにも退職金を支給する場合は、労働時間に応じた比例計算や、別途設定した基準による支給が一般的です。制度設計時に対象者の範囲を明確にし、公平性を保つことが重要です。
Q:自己都合退職と会社都合退職で退職金額に違いはありますか?
多くの歯科医院では、自己都合退職と会社都合退職で支給額に差を設けています。一般的には会社都合退職の方が高額に設定され、自己都合退職の1.2~1.5倍程度となることが多いです。これは会社都合退職の場合、スタッフに責任がないためです。
ただし、近年は差を設けない医院も増えています。シンプルな制度設計はスタッフにとっても分かりやすい制度となります。医院の方針や業界の動向を考慮して決定しましょう。
Q:歯科衛生士の退職金はどのタイミングで支給すればよいですか?
労働基準法では退職金の支給時期について明確な規定はありませんが、一般的には退職後1~2カ月以内に支給することが多いです。就業規則で支給時期を明確に定め、スタッフに周知しておくことが重要です。
支給時期を遅らせすぎると、スタッフの生活に支障をきたす可能性があります。一方、即座に支給するのが困難な場合は、分割支給や仮払いなどの方法も検討できます。
Q:他の医療業界や一般企業と比べて歯科衛生士の退職金は低いですか?
歯科衛生士の退職金水準は、他の医療職種や一般企業と比較すると、やや低めの傾向にあると言われています。これは歯科医院の多くが小規模事業所であることや、比較的若い年齢層のスタッフが多いことが影響していると考えられます。
看護師や薬剤師などの医療職では、病院や大手チェーンに勤務するケースが多く、組織的な退職金制度が整備されている事が多いです。また、一般企業も、大企業の正社員であれば勤続20年以上で数百万円から1,000万円を超える退職金が支給されるケースがあります。
ただし、歯科医院においても退職金制度を充実させることは十分可能です。他業種との比較よりも、地域の歯科医院との比較や、自院の経営理念に基づいた制度作りを優先することが大切でしょう。
退職金制度を含めた採用のアレコレはデンタルサイヨウブにお任せ!

歯科医院の退職金制度の導入は、他院との差別化を図り、優秀な人材の確保と定着を実現するのに有効な手段です。しかし、いざ導入を考えても採用につながるかや定植率を向上させられるか不安だという方もいらっしゃるでしょう。そこでお勧めなのが、採用代行サービスです。
採用代行サービスは、採用戦略立案や求人内容の最適化、スカウト活動、応募者対応、面談調整、内定承諾交渉といった業務をアウトソーシングするサービスです。活用すれば、時間や手間を省けるだけでなく、現在のトレンドや競合の状況を確認しつつ最適な方法で自院にあった質の高い人材の確保や定着を叶えることができます。
資格が必要な採用難易度の高い専門職の採用は、特に業界に特化した代行サービスを選ぶことが大事です。デンタルサイヨウブは、歯科業界に特化した採用代行サービスです。歯科医師、歯科衛生士、歯科助手などの専門職採用に特化し、月額10万円(契約期間3ヶ月〜)で採用業務をまとめてサポートします。採用成功率は業界トップクラスの92%と、実績も豊富です。人材でお困りの歯科医院様はぜひこの機会にご検討ください。
<参考資料>
・歯科衛生士の勤務態度調査 報告書
・国税庁 退職金と税
・歯科衛生士の退職金ガイド|勤続年数により支給相場額は変わる?
・【歯科衛生士の退職金】もらえる条件や相場は?注意点もご紹介

